2013年1月23日水曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-当協会が実施する在住外国人向け南海地震対策-

ついに一連のWEB講義の最終章となりました。最終テーマは「当協会が実施する在住外国人向け南海地震対策」です。

前にも書きましたが、当協会がこの分野の仕事を本格的に開始したのは平成19年度です。

以来、数々の事業を手掛けてきましたが、個々の事業と各事業への災害時語学サポーターの関わりについて紹介することで、皆さんの今後の活動に示唆を与える内容にしたいと思います。

①6カ国語による南海地震に備えてのパンフレットの発行・配布
これは平成19年度に発行されました。6か国語とは以前も説明したように国籍別県内在住外国人数を各国籍の母語(または公用語)別で区分した時に上位6位を占める言語です。

このパンフレットと災害時語学サポーターの関わりですが、パンフレットの中身について検討・協議する作成委員会への出席及び翻訳の一部を担当していただきました。

このパンフレットの初版発行から5年が経過しようとしていますが、東日本大震災の発生を受けて、中身を見直す時期に来ています。

今後の予定ですが、高知県が25年度中に発行する計画がある新版「南海地震に備えちょき」の内容も参考にしながら、その見直しについて災害時語学サポーターとともに検討・協議し、可能であればその翻訳についてご協力をいただきたいと思っています。

②6カ国語によるHPでの防災情報の提供
これは①のパンフレットのWEB版(HTML形式及びPDF形式)を同じ年度に作成しました。中国語については音声でも聞くことができるようにしています。(シャドーイングの練習になりますよ)⇒
http://www.kochi-kia.or.jp/earthquake/index.htm

2013年1月22日火曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-災害時語学サポーターの通訳対応時における心得-

通訳対応時の場面としては、被災外国人と直接話す「2者間コミュニケーション」と被災外国人と日本人の間に入って通訳する「3者間コミュニケーション」があります。

21年度災害時語学サポーター養成講座
2者間コミュニケーションの想定される場面
災害発生初期段階では専門家との間に入って通訳することより、集めた情報や、専門家の助言を頼りに、災害時語学サポーター自らが外国人被災者へ情報提供することが主な活動となることが想定されます。

窓口に待機して電話による問い合わせへの対応も想定されます。

窓口などで外国人被災者と対面でニーズを聞き取り、対応している行政窓口につなげることも考えられます。

2者間コミュニケーションにおける基本的な態度
まずは相手を落ち着かせ、状況を正しく理解できるようにさせてください。(相手はパニックになっていることがあります。それにつられて自分も動揺しないようにしてください)

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-災害時語学サポーターに求められる能力-

このWEB講義もやっと最終コーナーに差し掛かってきました。ゴールが遠くに見えています。もうひと踏ん張りです!

19年度災害時語学サポーター養成講座
昨日は予期せぬネット環境の不具合によりアップできませんでしたが、今回は、災害時語学サポーターに求められる能力についてまとめてみたいと思います。

①語学力
②関連分野の背景知識
③外国人の背景の理解と支援の姿勢
④倫理観
⑤人権意識

以上の5項目を兼ね備える方は、問題なく優秀な災害時語学サポーターになれます。

①の語学力については皆さん問題ないでしょう。(問題がある人は応募要件を満たしません)

2013年1月18日金曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-災害時語学サポーターの役割②-

今回も災害時語学サポーターの役割についての記述です。
平成21年度心肺蘇生訓練

少々専門的ですが、災害時語学サポーターになられようとする方には是非理解してほしい内容です。

前回、災害発生後の被災在住外国人の前に立ちはだかる「3つの壁」のうち「②制度の壁」については「日本人から見えにくい在住外国人の制度」と「在住外国人から見えにくい日本の制度」の両側面があります、という記述で終わっていました。

まず、「日本人から見えにくい在住外国人の制度」について書きます。

一連のWEB講義シリーズを最初から読まれている方にはもう既知となっている「在留資格」がこれに該当します。

しかし、一般の日本人は「在留資格」のことを知りません。世間一般では「ビザ」という用語が代用されますが、ビザ(VISA)は「査証」(日本への入国許可証)のことです。

2013年1月17日木曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-災害時語学サポーターの役割①-

今回は災害時語学サポーターの役割についてまとめます。

平成20年度災害時語学サポーター養成講座
一連のWEB講義シリーズの「災害時語学サポーターの活動」のブログでも書きましたが、災害時語学サポーターの活動の中心は「通訳」と「翻訳」です。

災害時語学サポーターの資質として「語学」は必要欠くべからざるものです。

しかし「語学ができる」=「災害時語学サポーター」とはなりません。

分かりやすく言うと、語学だけできても災害時語学サポーターとしては半人前以下ということです。

では、他にどのような資質が災害時語学サポーターに求められるのでしょうか?

これを解くキーワード3つを以下に掲げます。

①言葉の壁
②制度の壁
③文化の壁

これらは災害発生後の被災在住外国人の前に立ちはだかる「3つの壁」と呼ばれるものです。③の「文化の壁」を「心の壁」に代えて説明される方もいますが、結論にあまり差はないと思います。

2013年1月16日水曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-震災後の在住外国人が受けられる行政サービス等の範囲-

前回のブログに引き続き、今回も少々マニアックな感が否めませんので、軽く読み進めていただいて結構です。

以下の記述は、日本の公的給付が震災後の在住外国人にどこまで適用されるかについてを中心に書いています。

1)災害弔慰金・災害障害見舞金
災害弔慰金は、災害により死亡された方の遺族に対して支給されるものです。

福島県相馬市(2011年11月)

災害障害見舞金は、災害により負傷、疾病等で精神又は身体に著しい障害が出た方に支給されるものです。

いずれも「住民」であれば支給されますので、在住外国人でも有効な在留資格に基づき市町村に住民登録されていれば適用されます。

2)被災者生活再建支援制度
住宅(借家を含む)が地震、津波、液状化により全壊または大規模半壊した世帯に給付されるものです。

これについては、世帯主が外国人でも住民登録されていれば適用されます。

2013年1月15日火曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-震災後の在住外国人からの相談内容②-

前回のブログでは、高知県で震災が起きた時にどのような相談が多くなるかについて、まずは皆さんに考えていただくということで記述が終わっていました。

今回のブログで検討するということでしたので、以下で検討しますが、少々マニアックな記述になってしまいましたので、軽く読み進めていただいて結構です。

検討する上でのポイントですが、在留資格が「定住型」・「非定住型」かの区別、「労働型」か「非労働型」かの区別で考えると整理しやすいです。

1)「定住型」と「非定住型」の区別で見る相談内容
定住型の在留資格とは、「永住者」・「特別永住者」・「日本人の配偶者等」・「永住者の配偶者等」・「定住者」の5つです。

定住型の在留資格を有する在住外国人は、日本人居住者とほぼ同じ相談を抱えます。

定住型に属する県内在住外国人の数は、県が市町村に問い合わせて収集した統計資料で計算すると1,816人となり全体の約52%を占めます。(H23年末現在。以下同じ)
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/140201/h23-gaikokujintouroku.html

つまり、県内在住外国人の半数以上は、震災後、住居や仕事など生活再建に向けての様々な課題に直面することになります。

持家を喪失したことにより仮設住宅の申し込みをしなければならないかもしれませんし、勤めていた会社が倒産したことにより失業し、新たな就職先を探さなければならないかもしれません。

日本人被災者とほぼ同じ問題を抱えて、行政窓口やハローワークを訪れることになるでしょう。

2013年1月12日土曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-震災後の在住外国人からの相談内容①-

これからの内容は、震災を生き延びた在住外国人に関する記述です。

皆さんに、以下の2つの表をお見せします。


上段は、阪神・淡路大震災発生から2か月余りにかけて記録された在住外国人からの相談内容、下段は東日本大震災発生から約1か月半にかけて記録された在住外国人からの相談内容の上位3位までを示したものです。

2013年1月11日金曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-災害時語学サポーターの活動-

2012年9月、東日本大震災の被災県のうち岩手県と宮城県を訪れました。訪問の目的は、高知県での震災時における在住外国人支援活動の進むべき方向を見定めるための情報収集です。

もちろん、私たちと同じ仕事をしている岩手県と宮城県の国際交流協会にも足を運びました。この両県においても当協会と同じように災害時に外国人を支援する語学ボランティアを養成しています。

しかし、両県協会の担当職員から思いもよらない事実を聞かされた時、体中に衝撃が走りました。

「養成していた災害時語学ボランティアは今回の震災時には活用されなかった」という事実です。
福島県相馬市原釜地区(2011年11月)

活用されなかった最大の要因は、被害規模が大きすぎて災害時語学ボランティア自身も被災者となったということです。

また、被害の全くなかった災害時語学ボランティアもいたが、そうしたボランティアが被災地にアクセスしたくてもできなかったという事情もありました。

東日本大震災クラスのような超巨大地震ともなれば、地元の災害時語学ボランティアは被災者となるか被災地に近付けないこと等によりボランティア活動ができないということが判明しました。

では一体、災害時語学サポーターはどのような活動をするボランティアなのでしょうか?

2013年1月10日木曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-在住外国人の地震や津波に対する備え③-

「生き抜く」のに最低限必要な5つの備えで、前回のブログで紹介できなかった残りの2つを以下で紹介します。

「④あらかじめ連絡方法、集合場所を決めておく」
大きな地震が起きたときは電話が大変かかりにくくなります。そのため、震災後に電話で知り合いと連絡を取り合い、安否を確認するのは非常に難しいです。

交通機関の麻痺により自宅に帰ることもできないかもしれません。こうした時のことを考えて、安全な集合場所(避難場所・避難所)をあらかじめ決めておくよう話をしてください。

また、家を空けて避難する場合は行き先を紙に書いて家に貼っておくなど、連絡方法をあらかじめ決めておくように話をしてください。

2013年1月9日水曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-在住外国人の地震や津波に対する備え②-

今回も在住外国人の地震や津波に対する備えについて綴りたいと思います。

長期滞在が見込まれない外国人、在留資格で言えば「留学」、「研修」、「技能実習」などで来日している外国人には、とにかく「生き抜く」術を教えることを第一の目標と考えたほうが良いでしょう。

なぜなら、彼らには帰ることができる国があり、生き延びさえすれば来日前の生活にすぐ戻れるからです。それで前回のブログにも書いたように、「生き抜く」のに最低限必要な5つの備えを重点的に行ってもらうのが彼らにとっても理にかないます。

前回のブログにも書いた「生き抜く」のに最低限必要な5つの備えを在住外国人と関係させながら個別に見ていきます。

2013年1月8日火曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-在住外国人の地震や津波に対する備え①-

前回のブログの続きです。今回は在住外国人の地震や津波に対する備えについて綴りたいと思います。

もし、皆さんが知り合いの外国人に南海地震に備えてもらいたいと考えたとします。
福島県相馬市の水田跡(2011年11月)
南海地震の備えるべき項目はたくさんあります。いったい何から教えればよいでしょう?

それを考える時にまず知るべきことが、その外国人の「在留資格」です。出身国の情報も大事ですが、お知り合いともなっていれば、どこの国から来たかくらいの情報はすでに持っているはずです。

でも、その外国人の在留資格まで知っていることはあまりないでしょう。

しかし、知り合いの外国人に今更ながら「あなたの在留資格は何?」とも聞けませんので、その外国人の家族構成や職業から想像してみてください。おおよその見当がつくはずです。

日本人の方と結婚している外国人なら、帰化でもしていない限り「日本人の配偶者等」か「永住者」です。「特別永住者」の可能性もあります。

外国語スクールの先生なら在留資格は「人文知識・国際」です。でも、その先生が日本人と結婚していれば上述の在留資格のいずれかに当てはまるでしょう。

注目ポイントは、長期滞在が見込まれる在留資格か、そうでないかです。この違いは、災害への備えに対する意識の差に現れます。

2013年1月7日月曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-在住外国人と災害との関係-

今回は在住外国人と災害との関係について綴りたいと思います。

過去3回のブログで県内及び他県の在住外国人のことを説明しましたが、そのことの理解の前提の上で記述を進めます。

日本の自然災害と言えば、台風などによる風水害、地震、津波、地域によっては雪害、最近では竜巻の被害もよく聞かれるようになりました。

海外の自然災害はどうでしょうか?日本と同じような災害の他に、乾燥地域での自然発火による大規模火災のニュースをご覧になったことがあるかと思います。

このように地域によって起きる災害が違います。地震や津波の起きる心配のない国もあります。

下の世界地図をご覧ください。

2013年1月5日土曜日

24年度「災害時語学サポーター養成講座」WEB講義-在住外国人を知る③-

皆さん、明けましておめでとうございます。今年もKIAだより「かつおの旅」をよろしくお願いします。

在住外国人と災害との関係について書こうとしたら、在住外国人について1つ書き抜かりがあることに気付きましたので補充します。

当協会の災害時語学サポーター養成講座で募集している言語には、英語・中国語・韓国語・タガログ語(フィリピン語)・インドネシア語・ベトナム語のほかに、スペイン語とポルトガル語の8言語があります。

英語からベトナム語までの6言語は、これらの言語が話される国から来ている県内在住外国人の数の上位6位までを占める言語です。

スペイン語とポルトガル語が話される国から来ている県内在住外国人の数はそれほど多くないにもかかわらず、なぜ募集言語に選ばれているのでしょうか?