2012年2月23日木曜日

国際観光と人権

2007/ 5/ 29
  先日、知り合いの外国人から驚くべきことを聞かされた。京都の宿坊(※1)に宿泊するため予約しようとしたところ、外国人であることを理由に宿泊拒否をされたそうである。私は一瞬耳を疑った。世界的にも有名な国際観光都市「京都」でこんなひどい人権侵害があったのかと思うとにわかに信じ難かったからだ。しかし、彼はすぐさま続けてこう言った。

 「外国人だからというのではなく、人それぞれで判断してほしい。私は日本語が話せるし善良な外国人なのに、以前宿泊した外国人が間違ったことをしていたのだったら、その人にきちんとルールを説明すべきだった。その時に黙っておいて、あとの外国人はすべてお断りというのはおかしい。」

 正に彼の言うとおりだ。外国人だからという理屈は絶対通らない。ましてや日本国政府を挙げて推進している外国人観光客誘致策「ビジット・ジャパン・キャンペーン」(※2)を展開している真っ只中に、その模範であるべき日本の古都で決してあってはならないことだ。彼は怒りが収まらず市の観光協会に電話をして事の一部始終を明らかにしたということだった。

 人口減少時代に突入した我が国にとって、外国人観光客はのどから手が出るほど欲しい客となっているのは間違いなく、外国語による観光パンフレットの作成や案内板の設置などハード面での受け入れ体制の整備を進めている自治体は数多くあるが、果たして受け入れる側の「心」の体制を整えようと努めている自治体はどれくらいあるだろうか?人種や国籍に関係なく一人の観光客としておもてなしをする気持ちを養わないと、「観光立国」日本はその看板を早々に外さなければならなくなるだろう。

(※1)社寺参詣者のために境内に建てられた宿。勤行、写経、座禅の体験ができる宿坊もある。
(※2)2010年までに1000万人の訪日外国人誘致を実現するための活動。国土交通大臣が実施本部長になっている。

財団法人高知県国際交流協会
マネージャー 吉田進

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